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《恋人たち》







どうして と呟いた



ぼくは君の事が大好きで

私はあなたの事が大好きで


大好きだからわかって欲しくて

大好きだから側に居て欲しくて


大好きだから

ただ大好きだから

僕たちはわかりあえなかったのかもしれない

私たちは側に居続けられなかったのかもしれない

だってこんなにも こんなにもただひたすらに

お互いの事だけを思っていたから



君に似合うと思ったんだ

綺麗な輝石をあしらった細いリングの銀の指輪

君が喜ぶと思ったんだ

だってぼくは君を喜ばせたかったんだ

ねぇ 大好きな君

きっと君なら照れたような笑顔で微笑んでくれると思ったから

だからぼくは頑張れたんだ

なのにどうして



あなたが喜ぶと思ったの

すっきり整えた部屋

良い匂いのする洗濯物

あなたの大好きなペペロンチーノ

全部全部あなたが「良いね」って言ってくれたものだから

ねぇ 大好きなあなた

きっとあなたならはにかんだ笑顔で微笑んでくれると思ったから

だから私頑張れたの

なのにどうして



どうすればよかったんだろう

どうすればよかったのかしら


君がぼくの事を好きだってちゃんとわかってるのに

あなたが私の事を好きだってちゃんとわかってるのに

ただそれだけがわかっていて

なのにどうすれば良いのかがわからない

どうしたら二人元に戻れるのかしら

どうすればあの頃の二人に戻れるんだろう

どうしてぼくたちは

どうして私たちは

こんなにも わかりあえない


わかりあいたい


わかって欲しい


どうかわかって



その為に差し伸べられた手を

だから拒めなかったのはきっと君のせい

きっと私をわかってくれないあなたのせい

だってぼくにとって君がすべて

だって私にとってあなたがすべて

お互い お互いの事が大好きで仕方がなかったのだから

それをちゃんと知っていたんだから

だからこれは君の あなたの罪



ねぇ 大好きな・・・・・・・・・・・・







《恋人たち》。

主人公はすれ違いの恋人。

自分で書いといて言うのもなんですが、私はこんな女は嫌いだ(爆)

男も大概女々しいし、言葉が足りないと思うのですよ。

でもタロットのモチーフには今までで一番合ってる気が・・・・・・・(遠い目)

「好きしょ」でも愛する化学部長と小犬ちゃんで同じことやりましたが、

彼らの時は其処まで腹が立たなかったのが不思議です。

やはり愛でしょうか。




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